相談時の状況
10代後半のお子様の件で、お母様より相談がありました。幼少期より集団活動が苦手で行事への参加を嫌がって泣いていました。気に入らないことがあると椅子を投げてしまうなど周囲が驚く行動を取ったこともありました。小学校に進学してからもコミュニケーションの難しさは続き、授業中に勝手に話したり、2階の窓から椅子を投げてしまうなど、感情のコントロールが難しい場面が繰り返され、学校から専門機関での検査を勧められ、自閉スペクトラム症であることが判明しましたが、本人の希望もあり普通学級に通い続けましたが、中学・高校では対人関係がより難しくなり、友人を作ることができず、授業中に質問されても言葉が出ず、首を縦に振ることで返答するなど、コミュニケーションの困難さが際立つようになりました。高校では人間関係や学習についていけないことが重なり、途中で退学して特別支援学校へ転校しました。転校後も状況が大きく改善することはなく、調子の波が激しく、登校が不安定な時期が続きました。高校生時に療育手帳と精神保健福祉手帳を取得しました。現在は就労移行支援の訓練を在宅で受けていますが、緊張が強く、訓練後は疲れ果てて横になることが多く、生活全般に大きな負担がかかっています。日常生活の多くは母親の援助が不可欠で、本人が一人で判断して行動することは困難で、一人暮らしは成り立たない状況です。
社労士による見解
自閉スペクトラム症による障害年金申請では、日常生活能力の低さと対人関係の困難さがどの程度生活を制限しているかが審査のポイントとなります。相談者は、幼少期から明確な行動特性があり、学校生活の困難、コミュニケーションの障害、学習面のつまずきなどが一貫して見られ、加えて、思春期以降は、対人場面で極度の緊張を伴うなど、社会生活を営むうえで重大な支障をきたしていました。現在の生活は母親の援助なしでは成り立たず、自発的な行動や判断ができない点は特に重い特徴です。就労移行支援も在宅でのリモート形式でなければ継続できず、対面の場面では緊張が強すぎて適応が難しい状況でした。障害基礎年金2級の基準に十分該当すると判断できる状態でした。
相談から請求までのサポート
まず、現在までの経過を整理するため、幼稚園から高校までの学校での様子、専門機関での検査結果、手帳取得までの流れ、現在の日常生活状況、就労状況等を丁寧に家族から聞き取りました。
医師への診断書依頼時に、これらの情報を「生活状況等申告書」にまとめ、情報提供しました。病歴・就労状況等申立書は、審査側が本人の状況を正確に把握できるように詳細に記入しました。
結果
審査の結果、障害基礎年金2級に認定されました。この認定により、相談者の家族は安定した支援体制を整えることが可能になり、本人も無理なく療育や訓練に取り組める環境を維持できるようになりました。今後も支援を受けながら、少しずつ自分のペースで生活を広げていける土台が整いました。







社会保険労務士法人ウィル

